若者への福祉教育研究会は何をするの?
現在行っている福祉教育実践を見える化する
研究の目標と《効果》
① 埼玉方式で若者の共生力を育む《実践プログラムの創出・普及》
② 地域で若者の社会福祉意識を創り出す《相互実現的自立》
③ 福祉教育推進員や地域活動者・教育関係者・行政関係者・企業などがチームを組んでの協働実践で新しい仕組みづくり《新しいつながり》
活動の目的と方針
2025年に向けて、若者の「ともに生きる力」を育み、社会福祉意識を創り出す「サービスラーニングプログラム」の創出・実践を行い、広くそのプログラムを発信・普及します。そのために、現在、埼玉県で実施されている福祉教育実践をプログラム化し、研究者と実践を共に検証します。
そして、埼玉そして日本に住む若者が、ともに生きる力を身につけ、安易な自立観ではなく、相互実現的自立の視点を持ち、社会の一員として自分らしく歩むための福祉教育実践について、ネットワークを構築しながら研究し、地域共生社会の実現をめざします。
主な活動内容
本研究会は埼玉県内の福祉教育実践者が主たる構成員となり、研究を学術的に支援してもらうため、県内の地域福祉研究者を中心にアドバイザーチームを組織する。
その上で課題の共有化を目的とした「学習会」とプロジェクトして「研究会」を設ける。
1 学習会
9月県教育委員会高校指導主事との学習会及び、必要な機関や研究者との学習会(意識調査事前検討会などを含み随時開催)
2 研究会
概ね数ヶ月に1回開催
3 アンケート調査
社会福祉施設を対象とした若者の福祉・ボランティアへの意識アンケートの実施。平成30年に質問紙を作成し、調査実施、集計、分析、結果報告を行う。
4 研究のアウトプット
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研究会HPからの情報発信(啓発)
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あったかウェルねっとHP等関係機関からの情報発信(啓発)
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最終的には、実践研究やアンケート調査の結果をまとめ、報告書及びホームページに掲載して研究のアウトプットを行う。
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学術学会(日本福祉教育・ボランティア学習学会等)での研究成果の発表
5 実践への働きかけ(プログラム開発)
2年間の研究内容を精査して、埼玉県内の社会福祉協議会に働きかけを行い、福祉教育・ボランティア学習が展開できる素地を創造する。また、行政、社会福祉法人、企業、団体などに働きかけ、プログラムが実践でき、地域全体で応援できる仕組みを構築。
設立以降の主なあゆみ
若福研設立後、アドバイザーの原田正樹氏・河村美穂氏・村上徹也氏による鼎談「埼玉発!若者への福祉教育とサービスラーニングの意義」、および筑波大学付属坂戸高校教諭・熊倉悠貴氏からの高校での実践プログラム?「事例発表」」をとおして、若福研の今後への学びを深めました。
埼玉県教育委員会家庭科指導主事の山盛敦子氏をお招きし、高校家庭教育と福祉教育の接点について学習会を持ちました。山盛先生からは県立高校の福祉教育に関連して
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福祉科目を設置している学校
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家庭科「生活と福祉」を設置している学校
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高等学校学習指導要項解説家庭編(平成22年5月)からの現状と課題
について、お話しいただきました。今後につながる沢山の情報を得ることができました。
講師の河村美穂氏(埼玉大学教授)より「福祉教育プログラムの見える化について」講義いただきました。
福祉教育実践研究の定義
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福祉教育実践の概要を多くの人が共有できるよう記述
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どのような価値に基づいて研究を進めるのかを明確に
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なにをどこまで明らかにするのか具体的な目標を設定
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研究の方法を具体的な手続きとして示す
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研究の成果がこれまでの福祉教育実践研究
経緯(流れ)の中に位置月、さらに自分自身や他者の研究・実践に何らかの示唆を与える
サービスラーニングと福祉教育~「地域」から体験的に学ぶ~
原田正樹先生・村上徹也先生による事前研修から、「社会的有用感/自己肯定感・共生的人間観(「共に生きる力」)・自己の成長と社会とのつながり・社会に貢献する活動」について、参加者とパネラーがディスカッションしながら学びを深めました。
中間報告会:「コミュニティサービスとサービスラーニング」
報告者:川田虎男(聖学院大学)
◆アドバイザー:河村美穂氏(埼玉大学教授)
共に豊かに生きる力をはぐくもう!~今こそ知りたい!サービスラーニング~
講師&コメンテーター:村上徹也(市民社会コンサルタント・日本福祉大学教授)
◆サービスラーニングは自分が学んだ知識や技術を活かして活動する⇔社会に貢献する活動から学ぶ。その相乗効果が学習効果を高める。《座学と社会に役立つ体験を結びつけた学習が立証》
◆サービスラーニングの8つの大きな要件
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地域のニーズの把握《疑似でない本物》
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学習目標の設定
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若者自身の声と計画づくり《学習者の意思》
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オリエンテーションと研修
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意義のある活動の保証《本当に地域で役立つ活動をする》
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振り返り《何を学べたのか》⇔場面ごとに振り返る
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評価《活動を通して何を学んだのか》
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祝福と認知《活動に意義のあることを伝えて褒める》
中間報告会:「社協事業の事例より見える化」
ワークキャンプ事業を実践されている県内3市社協の社員より「実践プログラムと参加者の学び」について報告。
◆アドバイザー:佐藤陽氏(十文字学園女子大学教授)
ワークキャンプの意義やそこに関わる援助者の役割などのミニ講話の後、3市社協より「福祉体験を通して学習者自ら学ぶ」を目的とした、それぞれ特色あるワークキャンプ実践プログラムが報告されました。今回は実践者からの報告のほか、実際にそのプログラムを体験した学生から、体験前と後の「考え」や「心」の変化について直接お話を聞くことができました。そして、その話からは「地域」という言葉も多く聞かれ、プログラムを通じて正に「ともに生きる力」「これからの地域力」へと繋がっていく様子が感じられる報告会でした。
報告会:「ふくふく木曜会中島氏・櫻井氏・初雁氏の実践事例より見える化」
◆アドバイザー:原田正樹氏(日本福祉大学 副学長)
アドバイザーよりミニ講話「これからの地域共生社会と福祉教育の力」
共生社会は誰のために必要なのか。先ずは「自分」が変わり、次に「地域」が変わり、その先で「社会」が変わっていくのだ。その根っこには福祉教育があってこそ!
あったかウェルねっと実践「ふくふく木曜会プログラム&初雁実践プログラム」
報告者:中島満氏「車椅子ユーザーの普段の生活と共生について」
櫻井栄里氏「発達障害の正しい理解のために願う事」
報告者:初雁建司氏「高齢社会を生きる」
中間報告会:「精神保健分野の実践事例より見える化」
「精神障碍者フットサルにおける福祉教育」
◆アドバイザー:松本すみ子氏(東京国際大学 教授)
◆共同研究者:松本すみ子氏(東京国際大学教授)
岡田隆志氏(埼玉県保健所/精神保健福祉士)